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 2023年7月12日開催の星空案内人勉強会は、テーマは「2023年夏の星空案内のポイント」でした。前半はテーマに沿った話、後半は各自で天体望遠鏡の操作練習をしました。望遠鏡の操作練習の時間を取るため、話は必要なものだけにまとめました。資料は以下のとおりです。 なお、スターウィークの2023年分の資料は、この記事をアップする時点では、スターウィーク事務局の方でまだ更新されていません。2022年版とは満月新月等、月の暦が違いますが、そこだけ注意すればそのまま使えると思います。2023年版は近日中に更新されると思うので(確認は取っていませんが)、急いでなければ更新を待つのがいいでしょう。一番下のリンクはこの記事からはたどれないので、必要な方は各自で検索してください。「スターウィーク 資料」で見つかると思います。 2023年夏の星空案内のポイント          星空案内人勉強会資料 2023.07.12     夏は星に興味を持つ人が増える季節です。新暦旧暦七夕、ペルセウス座流星群、スターウィーク等星に関するイベントが多い上に、夏休みなのでキャンプで天の川を初めて見る人もいるでしょう。   夏の星空を案内する時のポイントを下にまとめてみました。特に一番下の「スターウィーク」の資料は誰でもダウンロードして使えるので、お勧めです。   ※スターウィークとは、「星空に親しむ週間」のこと。毎年8月1日~7日の1週間です。     1. 夏の星空は「夏の大三角」、「さそり座」、「北斗七星から北極星」を案内する     肉眼で見える星(一等星)を教えて星座をたどる。星座を探すには一等星を見つけ、そ の周りの星を つなげて星座を作る。   市街地では三等星まで見えないかもしれないので、「この星座はだいたいこのあたり」 でいい。完全に形を結ぶのは無理でも、一等星を目印に覚えてもらう。     2.見える惑星は「 7月中旬までの金星」と「8月末からの土星 」、「8月前半西の低空の水星」     「遠くて小さくて西に低い火星」。惑星は不作の夏。火星と水星は肉眼では見えにくい   ※ 金星 は7月25日には日没時の高度が約15度(ぎりぎり)30日には約9度(もう無...
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2023年 6月14日の星空案内人勉強会の資料です。今回は「七夕観望会をやってみよう」というテーマで、各自で観望会を開催する際の話のネタを準備しました。 七夕は一般の人の関心が星に向けられる、数少ない行事です。この機会に、家族や友人等で観望会をやってみようというのが今回の勉強会の趣旨です。 資料は、観望や話のネタになりそうな天文データです。ただし一般的な七夕の話はよく知られているので、省略しました。 勉強会に参加する方は、楽しそうな観望会のネタがあればぜひ提供してください。 ※資料の後半は、昨年12月の勉強会に配布した資料と同じものです。観望会を組み立てる上で必要かもしれないと考えて、今回追加しました。 2023年7月勉強会資料                 星空案内人勉強会  2023/06/14     2023年7月7日の観望会の材料(話と観望のネタ)   ① 日没は19時27分。日没の時刻は6月21日の夏至とほぼ同じ。暗くなるのが遅い。   ② 地球が遠日点を通過(1.0167天文単位)…「夏は太陽が近いから暑い説」は間違い     ちなみに地球が近日点を通過するのは1月5日(0.9833天文単位)     ③ 夕方の西空で金星と火星が接近して見える(火星は暗くなっていて目立たない)     金星は7月10日に最大光度。マイナス4.5等級、距離0.645天文単位、視直径37秒     火星はすでに地球から遠く小さく暗い。1.7等級、距離2.25天文単位、視直径4.2秒     火星の隣に見えるレグルスは1.36等級。火星より明るい。          ④ 七夕のおりひめ(ベガ)、ひこぼし(アルタイル)は午後8時には東の低空にあり、空もま     だ明るくて街中ではとても見えにくい。特にアルタイルは見えない。     午後8時30分にはアルタイルの光度が20度になり、やっと見えるようになるはず。     本来の七夕(旧暦)の頃は日没後暗くなると天頂にあって見やすい。        ⑤北の空で北斗七星が見やすい。北斗七星から北極星が探しやすい。    ...
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 2023年5月10日の勉強会に使う資料を事前に掲載します。 画像は、ステラナビゲータで作成した5月10日の20時9分の西の空です。「画像として保存」を選ぶと、自動で右下にアストロアーツのロゴが入るようになっているので、これをそのままパワーポイントに使えるという例です。 配布する資料は以下のものです。 観望会で天気が悪い場合のメニュー          星空案内人勉強会資料 2023.05.10田端     月くらいは見える観望会と、まったく何も見えない観望会の2パターンあり、話の長さが変わる。   1.月は見えるかもしれない場合 (雲は多いが切れ間があるという天気)    ①天気係を配置して、室内で星の話をしつつ晴れたら外に移動し観望する(晴れないと最後まで話 だけになる)。    ②ある程度まで室内で星の話をして、後半外に移動して晴れるのを待つ(後半とりあえず外に出 てみるが、晴れないかもしれない)。   2.まったく何も見えそうにない場合、雨の場合(今回の本題はこちら。4パターン考えてみた)    ①室内で星の話をする。(星の話だけですべての時間を使う)    ②話の後に室内で望遠鏡の操作体験をする。(話を聞くだけより望遠鏡を触った満足感は残るはず)    ③天文に関係した工作をおこなう。(人数が多いと短時間で簡単に準備できるネタがなかなか無い)    ④室内で星以外のメニューをおこなう(ゲームやレクリエーション等、主催者の意向による)。     室内での星の話の例(内容は参加者の年齢に合わせる。下の例は小学校の観望会を想定している)    1.天文クイズ(映像やパワーポイントを見せるとわかりやすい)    2.今夜どんな星空が見えるか(パワーポイントやパソコンプラネタリウム等を使うといい)    3.最近の天文の話題(ブラックホールや惑星探査など、パワーポイントがあるといい)    4.1~2年以内に起こる大きな天文現象の話(パワーポイント必要)    5.星座早見盤の使い方(主催者が希望した場合。全員分の星座早見盤は主催者側で準備する条件)    6.望遠鏡の操作体験(望...
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 2023年4月の星空案内人勉強会の資料です。 今回の勉強会は、4月20日の部分日食の観察方法についての話をしました。 当日配布した資料を掲載します。わかりやすいように、当日使用したパワーポイントの画面から必要なものを貼り付け、文章も一部加筆しました。 観察の参考にしてください。 2023年4月20日の部分日食の観察方法        星空案内人勉強会資料 2023/04/12   1,今回の日食は、金環皆既日食という少し珍しいもの。地平線近くで皆既日食になる場所では金環日食として見えるが、それ以外では皆既日食になる。しくみは以下の図のとおりだが、今回金環日食になる場所は海の上なので、実質は時間の短い皆既日食ということになる。日本では一部で部分日食になる。北の地方では日食にならない。       沖縄本島での見え方   今回は 欠け方が小さいので、食の最大以外は 日食メガネではわかりにくい。                 しかも県内で日食メガネを探すのが困難。 だがネット通販ではすぐ買える。   日食メガネで長時間太陽を見続けると目にダメージがあるかもしれないので、注意しよう。    2.観察には投影法がわかりやすい。      ①老眼鏡レンズで投影する方法 (簡単)     ②小さい鏡で投影する方法 (手軽)     ③老眼鏡とルーペで投影する方法 (製作の難易度は高いので、けっこう面倒)       ④小口径の単眼鏡で投影する方法 (手軽なのでこれがおすすめ)    単眼鏡と段ボール箱で作った日食投影器(2016年のもの) 単眼鏡はこれを使った    ⑤木漏れ日を観察する (お手軽、誰でもできる、地面が白っぽいなら紙もいらない)    ※今回は欠け方が小さいので、 欠け た形が木漏れ日ではわかりにくいかもしれない       ※ 注意する点   ①太陽の観察は日射病や熱中症、日焼けに十分対策をしておこなうこと。   ②日食メガネ等で太陽を長時間見ることは危険。目へのダメージがある。   ③老眼鏡や単眼鏡を使う投影では、レンズを...
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  2023年3月8日の勉強会は、前半は金星食の話、後半は望遠鏡の操作練習をしました。 金星食の観察場所としては、西の水平線が見える場所に限定されます。那覇に近い西海岸のビーチ(コンベンションセンター前のビーチや、北谷サンセットビーチ、豊見城、糸満等)や、浦添のパルコ前の海岸、瀬長島の対岸の公園等がいいのではとの意見が出ました。 配布した資料は以下のものですが、勉強会後に少し手直しをしました。 次回日本で夜に見られる金星食は2063年5月ですので、今回はぜひ頑張って見てみましょう。 金星食は肉眼で楽しめる現象です。家族や友人、職場の人などに金星食の時刻や見える方向などを教えておくと、各自で楽しむことができます。午後7時過ぎくらいなら金星の高度はまだ高いので、西の水平線が見えない場所でも、夕焼けと一緒に楽しめると思います。 下の画像は2012年8月に宜野座村で撮影したものです。今回は月はもう少し細いので、とても印象的な光景になると思います。 資料はここから 2023 年 3 月 24 日の金星食の楽しみ方        星空案内人勉強会資料  2023.03.08 1. 現象の基本情報  金星食とは、金星が月に隠される現象。どちらも明るいので夜なら非常に目立つが、昼間起こること  もある。今回は夜なので、素晴らしい光景になるはずだ。  那覇では 3 月 24 日 20 時 56 分頃、高度約 5 度の低空で金星が月に隠される。月はその直後に沈み、  金星の出現は国内では観測できない(香港やバンコク等なら可能)。  次回沖縄で夜に金星食が見られるのは 2063 年。それまでに昼間の金星食は何回かある。   2. 観察場所について  低空の現象なので、 西の水平線が見える場所でないと観察は困難 。目安としては、太陽が沈む位置の  北側(右側)に握りこぶし一つ半の位置。 太陽が沈む位置の少し右側で起こる と考えて場所を探そう。   3. 観察のタイミング  空が薄暗くなる 19 時頃から、金星と細い月が接近しているのが肉眼で見えるはず。   ① 食が起こる直前ではなく、早い時間帯から月と金星の接近を見た方が楽しめる。   ② 水平線近くの低空は雲が多く、雲で隠れる可能性もある。早めに観察を開始しよう。   4. 必要機材・・・肉眼、双眼...